さらに悪いことに、日本の会社では入社後の研修制度の質も低いといわれます。
経済産業省の日本を含む8カ国の「会社の教育・研修制度や自己研鑽支援制度に対する満足度」に関する調査結果によれば、日本のIT人材の中で「会社の教育・研修制度や自己研鑽支援制度に満足している」と答えた人の割合は、わずか5.2%。これは8カ国中最も低い数値です。
また、「満足していない」と答えた人の割合も19.0%と、韓国に次いで高い数値を示しています。これらの数字を合わせると、日本のIT人材の約60%が、会社から提供される教育や研修に満足していないことがうかがえます。
自己研鑽しない日本のIT人材
自己研鑽に関する調査でも、日本のIT人材は「業務外ではほとんど勉強しない」と答えた割合が33.6%で、アメリカ、インド、韓国に続いてワースト4位となりました。
一方で、「業務上必要な内容があれば、業務外でも勉強する」と答えた人の割合は47.7%と、中国、ベトナムに次いで高いものの、自発的な学習意欲は低いことがわかります。
これらのデータは、日本においてエンジニア育成が十分に行われていない現実を示しています。
企業が提供する教育や研修に対する満足度が低く、自主的な学習意欲も低いため、エンジニアとしてのスキル向上や新たな知識の習得が進んでいないーこれが日本のIT業界の競争力を低下させる要因となり、エンジニア不足の問題をさらに深刻化させているのです。
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