工学系出身者が「先進国最低レベル」日本の"暗雲" エンジニアを育てられない国が抱える大問題

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このような状況は、日本国内の企業にとって二重の打撃となっています。

ひとつは、新卒採用に力を入れ若手エンジニアを育成しても、数年で大手企業や外資系企業に流出してしまうリスクが高いこと。もうひとつは、即戦力となる経験豊かなエンジニアを採用するための競争が激化していることです。

企業が採用したエンジニアを維持するためには、給与や待遇の改善、キャリアアップの機会の提供、働く環境の充実など、より魅力的な条件を提供しなければなりませんが、資源が限られている中小企業にとっては簡単なことではありません。

しかしそれでも、日本企業は優秀なエンジニアを採用し維持するために、新しい戦略を模索し続ける必要があるのです。

日本はエンジニアが育ちにくい?

日本では、エンジニアの育成に対する取り組みも、十分とはいえない状況です。岸田首相は大意として「スタートアップ大国を目指す」という方針を掲げていますが、スタートアップはIT関連事業が大きな割合を占めているにもかかわらず、エンジニアを増やすための具体的な策はほとんどありません。

実際に日本は、27の先進国の中で、科学や工学の分野でキャリアを目指す学生の割合が最低レベルとなっています。

OECD(経済協力開発機構)の調査によると、日本は、STEM(科学、技術、工学、数学)コースを専攻した大学卒業生の割合で22位となっています。つまり、教育機関からのIT人材の供給も不足しているといえます。

エンジニアリソース革命
(図:『エンジニアリソース革命』より)
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