中国で高まるブランド信仰、「ステータス」を欲する消費者心理を反映

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12年は権力が替わる年。多くの国のトップが交代します。中国でも新しい国家主席が指名されます。先行きには多くの雲が立ち込めるのも事実ですが、新政権への継承が順調に進めば、12年と翌13年はとてもよい「収穫」の時期になるでしょう。

--確かに、中国政府は他国のバブル崩壊などから多くのことを学んだとは思いますが、引き締めはもはや遅すぎ、との指摘もあります。

ハードランディングの可能性がないわけではありません。しかし、それは確実とはいえない。中国政府はインフレをコントロールするためのマクロ経済政策を総動員しています。そこには第12次計画も含まれています。個人消費がいつ頃活発になるか、そして、どの程度のペースでインフラ投資を行うかがカギを握っています。

「中国がハートランディングするか否か」という点に世界中の関心は集中しています。ハードランディングしたら、世界中の経済が打撃を受けるでしょう。日本、フランス、そして、米国も多くの製品を中国へ輸出しています。中国を敵対視することは日本や欧米の経済に悪影響を及ぼす可能性があるのです。中国と協調することが、世界の経済にとってもメリットになる。
 
 大事なのはバランスを取り、中国との互恵関係を維持すること。中国の経済が強くなりすぎるあまり、人々がハードランディングを望むようになるのは恐ろしいことです。

中国にとっては今が大きな「挑戦」のタイミングです。中国自身がこんなにも早く、世界でスポットライトを浴びるようになるとは思っていなかった。「中国」であるにもかかわらず、世界の中心になってしまうのを望んでいなかったのです。外交面では難しさを抱えていますが、一方で非常に興味深い局面にあるのも確かです。

--中国の消費者の動向をどう分析していますか。最近出したリポートでは「ブランドに対して敏感になってきた」と指摘していますが。

06年から中国でのブランド信仰が急速に高まってきているのは明らかです。マスの消費者層の裾野が広がっていることが第一の理由です。現在は1億5000万人。今後、3億5000万人程度まで膨らむでしょう。多くの人たちが豊かになり、消費をしたがっています。

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