中国で高まるブランド信仰、「ステータス」を欲する消費者心理を反映
インフレ懸念を伴いながらも拡大が続く中国経済。13億人の消費者をターゲットに見据え、対中進出をもくろむ外国企業は依然として多い。同国景気の現状や消費市場の動向などを欧州系コンサルティング会社、ローランド・ベルガーのシャルル・エドゥアール・ブエ中国オフィス代表に聞いた。
--中国経済の現状に対する見方を聞かせてください。世界中がインフレを不安視しています。
中国は近年、自らが想定していたよりも多くの重要なことを学びました、確かに、インフレは世界の至る所で心配のタネになっているテーマです。同国政府もこれを注視しています。特に食料品価格へのインパクトの大きさを気にしています。バブルの行方も気掛かり。インフレをヘッジする目的で不動産や株式へ投資した人たちがいるからです。
ただ、同国政府はコントロールする方法を学びました。緩やかな人民元上げを促すことでインフレ圧力を弱めようとするなど、慎重な政策運営を行っています。政府がすでに対策を講じているのだから、さほど心配はしていません。沈静化にはそう時間がかからないでしょう。
中国経済は急速な発展を遂げましたが、足元の景気は減速傾向にあります。2011年の経済成長は8%近傍に落ち着くでしょう。インフラ投資の伸びの鈍化などが主な要因です。11年からの第12次5カ年計画の柱は2つ。1つ目は不平等の是正を目指すこと。具体的には、貧困に苦しむ地方経済の浮揚を図ることです。2つ目の柱は国内消費の刺激。経済の自律的成長を促すことです。
中国経済は世界景気の牽引役ですが、一方で、中央と地方の格差是正にも取り組まなければなりません。第1四半期(1~3月期)の中国景気の足取りはとても強いものがありました。第2四半期(4~6月期)は多くの問題がありましたが……。