中国で高まるブランド信仰、「ステータス」を欲する消費者心理を反映
ところが、中国ではすでに決めている。それはブランドがステータスでもあり、レガシーでもあるからです。また、お土産として買うことも多い。だから、何を持って行くのかあらかじめ決めておくわけです。
新しいものを好むのも中国の消費者の特徴です。若者は教育を受けるとともに、広告の「集中砲火」を浴びています。雑誌には実に多くの広告が掲載されています。これらが消費行動に影響を及ぼしています。
母親の世代はさほど化粧品を買わない。父親の世代はクルマを持っていない。親からではなく、広告によって行動が大きく左右されるのです。
欧米や日本の消費者に比べると、「超リッチ」の消費者はブランド品に限らず、おカネそのものをあまりかけない面もあります。それは中国の文化や精神性に由来するものなのでしょう。
ある程度の地位にある人は、見せびらかす必要がない。人間にとってより重要なのは、飾り気がないことなのです。
超リッチの人たちはもっぱらお土産を買ったり、何らかの謝意を示したりするために消費をする。彼ら自身はエルメスのネクタイを持っていません。日本人にも同じような側面があるでしょう。
--「超リッチ」な人たちは消費に対して慎ましやかだと……。
外面的な飾り気のなさといったことに加え、精神性や自然とのかかわりといったことのほうが、何を持つかということよりも重要なのです。
米国では家、マイカー、プライベートジェットといった物質への欲求が強い。欧州でも「米国化」が進みました。飾り気のなさや精神性といった概念よりも、物質欲が優先します。