建設機械「三国志」--巨大市場・中国の覇者は誰か!? 

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このように製品力も販売力も兼ね備えていながら、世界のガリバーはなぜ中国で7番手に甘んじてきたのか。それはひとえに生産能力の欠如といえそうだ。

「わが社には、中国の強い需要に対応できるほどの生産能力は残念ながらなかった」

今年3月、米国で開かれた証券アナリストとのミーティングで、キャタピラーの幹部はそう認めたという。極東から遠く離れた米国からは、中国の熱気と商機が見えなかったのか--。機会逸失ともいえる経営判断の理由は明らかではない。

ただキャタピラーは今まさに、生産増強による反転劇を仕掛けようとしている。江蘇省徐州の油圧ショベル工場に増産投資を行い、14年には10年比で4倍の生産台数を目指すとブチ上げた。キャタピラーは増強後の予想数量を開示していないが、過去のシェアなどを踏まえると4万台強に達すると推定される。

コマツが12年度に最大5万台、三一は中期で8万台の能力を持つことを踏まえると、追加増産投資もある気配だ。現在徐州工場では溶接ロボットなどが続々導入され、ラインの自動化が急ピッチで進んでいる。

増大する資金需要を満たすため、キャタピラーは昨年11月から2回にわたり、香港で人民元建て社債を発行。調達総額は合計20億元(260億円)程度とみられる。ラビン氏は「トップブランドの地位を目指す」と鼻息が荒い。巨人のシェア奪回作戦は、今始まったばかりだ。

(杉本りうこ、高橋志津子 =週刊東洋経済2011年9月17日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

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