建設機械「三国志」--巨大市場・中国の覇者は誰か!?
中国は今や世界最大の建設機械市場である。
工場が建つ。鉄道が延伸する。高い経済成長を背景に旺盛な固定資産投資が行われ、油圧ショベルを中心とする建機の販売をいざなう。市場が最も熱くなる旧正月明けの今年3月、業界販売台数は4万3063台(前年同月比42.9%増)と月次で過去最高に達した。札びらが舞い、工場出荷された建機は蒸発した。
だが、熱狂は続かない。翌4月、昨年10月から4度目の利上げが行われたあたりで風向きが急変。5月の販売台数は前年同月を割り込んだ。資産・物価インフレ抑制を急ぐ政府が利上げ、預金準備率引き上げなどを総動員。景気に敏感な建機の買い手は潮が引くように姿を消した。2011年通年の市場規模は、前年比3.7%増の17万2000台と、8割増だった前年から急ブレーキがかかる見通しだ(中国工程機械工業協会の予測)。
12年は12次5カ年計画の2年目。過去の5カ年計画であれば、投資が加速する年だ。低所得者用住宅や水利施設の建設など、財政出動事業も予定されている。金融引き締めは一時的な調整手段にすぎない、というのが複数のエコノミストの見方だ。