認知症の父が母の介護ベッドを壊すほど怒った訳 「すぐキレる」症状にどんな言葉掛けが必要か?

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同じ質問を何度も聞かれたとしても、「だからさっき言ったでしょ」と突き放さず、「そうなんだね」と共感する。そうした言葉がけ1つで困った行動が落ち着いたり、怒りっぽさが軽減されたりすることがあります。

「言ったよね?」と言いたくなる気持ちもわかりますが、本人や家族が穏やかに日常生活を過ごすためにも、そのひとことをぐっと飲み込んで、寄り添う姿勢を忘れないように努めてほしいです。

認知症はわかりにくい病気

認知症は、症状が進行していても、会話が普通に成り立つ場合も多く、はたから見るとわかりづらいこともある病気です。

子どもからしたら、親の認知機能が落ちているのを認めたくない気持ちも働き、「うちの親に限ってボケることはない」と、都合のいい解釈をしてしまいがちです。

年齢とともに記憶力が低下するのは、誰しもに起こる老いの変化の1つ。「あれ?」と思ったら、前出の地域包括支援センターで相談してもいいですし、かかりつけ医がいたら、そこに相談するのもいいと思います。

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記憶力は落ちていても、適切な薬の服用や言葉がけによって、穏やかに暮らすことはできます。

また地域包括支援センターや医療機関のみならず、認知症カフェや地域でのコミュニティなど、同じような悩みを抱えている本人や家族が交流し、支え合えるような場も広がっています。

家族だけで抱えこまないで、ぜひ相談してほしいと思います。

(構成:ライター・松岡かすみ)

中村 明澄 向日葵クリニック院長 在宅医療専門医 緩和医療専門医 家庭医療専門医

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なかむら あすみ / Asumi Nakamura

2000年、東京女子医科大学卒業。国立病院機構東京医療センター総合内科、筑波大学附属病院総合診療科を経て、2012年8月より千葉市の在宅医療を担う向日葵ホームクリニックを継承。2017年11月より千葉県八千代市に移転し「向日葵クリニック」として新規開業。訪問看護ステーション「向日葵ナースステーション」・緩和ケアの専門施設「メディカルホームKuKuRu」を併設。病院、特別支援学校、高齢者の福祉施設などで、ミュージカルの上演をしているNPO法人キャトル・リーフも理事長として運営。近著に『在宅医が伝えたい 「幸せな最期」を過ごすために大切な21のこと』(講談社+α新書)。

 

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