「認知症?」家族が心配な人に知ってほしいこと 相手の気持ちをないがしろにしていないか

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車椅子の高齢女性に話しかける家族
認知症の疑いがあるとき、一番不安なのは本人です。気持ちに寄り添った対応が求められます(写真:shu / PIXTA)
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実家へ帰省する人も多い年末年始。高齢の親に会ったら、なんとなく言動が気になり「もしかして認知症?」と思う人もいるかもしれません。
また親とのコミュニケーションが難しくなったり、理解しがたい行動を目にするようになったりしたとき、実は認知症が原因だった、ということもあります。
まずは認知症を正しく理解すること。そして認知症の人に接するときは、伝わりやすい言葉かけが大切です。
認知症研究の第一人者である佐藤眞一・大阪大学名誉教授の著書『認知症心理学の専門家が教える 認知症の人にラクに伝わる言いかえフレーズ』から一部を抜粋、編集し、「なぜ言い方が大切なのか」と認知症でよく見られる症状をご紹介します。

怒らない・否定しない・共感する

家族が認知症だと診断されたら、大きな不安に駆られることでしょう。

しかし、周囲以上に不安なのは本人です。認知症になったからといって、いきなり何もわからなくなるわけではなく、むしろ初期の頃は本人にも「これまでできていたことができなくなった」という自覚があります。

「自分はいったいどうなってしまうのか」「どこか悪いのではないか」という、得体のしれない不安にとらわれることがほとんどです。

認知症が進行すると、時間や場所、人の認識が難しくなるため、さらに不安は強まります。

「自分が今、どこにいるのかわからない」「目の前の人が誰なのかわからない」という、少し想像しただけでも、足がすくむような不安に囲まれた日常を過ごすことになるのです。

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