「認知症?」家族が心配な人に知ってほしいこと 相手の気持ちをないがしろにしていないか
こうした不安を少しでも解消できるよう、気持ちに寄り添った対応が求められます。
必要な心構えとしては「怒らない」「否定しない」「話に耳を傾け、共感する」を意識するとよいでしょう。
認知症初期の介護ではまず、これまで通りの日常生活を過ごせるよう、それとなくサポートするのが理想です。
例えば、認知症の母親が買い物に行くたび、同じ食材ばかりをいくつも買い込んでくるとします。そこで「また同じものばかり買って!」と叱っても、本人は忘れてしまっているのですから困惑するばかり。
いやな気持ちだけが印象に残り、コミュニケーションがうまくいかなくなる可能性が高くなります。
認知症の症状は人によってさまざまです。まずは本人にどのような症状があるのかを観察し、背景にある理由に想像をめぐらせてみましょう。
例えば、先ほどの食材のケースでは、買い物に行くと、育ち盛りの子どもたちに食事をつくってあげていた頃の習慣がよみがえり、「おなかいっぱい食べさせてあげなくては」と考えたのかもしれません。
このようなケースでは、買い物をやめさせようとするより、定期的に冷蔵庫の中をチェックし、賞味期限切れのものを処分するなど、本人が気づかない程度、気にしない程度に、困りごとをフォローしていくことが大切です。
「コントロール」しない言い方で「ケア」
もっとも、そうはいってもときには理解しがたい行動に声を荒らげてしまうことがあるかもしれません。
そんなとき、意識したいのが「ケア」と「コントロール」の違いです。
「〇〇はやめて」「××にして」など、禁止や制限、強制はどんなに言い方がやわらかく穏やかだったとしても、相手をしたがわせようとしている「コントロール」に該当します。
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