認知症の初期症状には、怒りっぽくなる、頑固になるなどの傾向も見られます。しかし、認知機能が低下している相手に対し、正論を振りかざしたり、頭ごなしに否定したりするのは得策ではありません。
説明しても、納得してもらうのは難しいと割り切りましょう。基本的には、否定をせずに、寄り添うことが大切です。
どんな対応がいいのか?
冒頭のAさんは相談されたことを忘れて、リビングにベッドを置かれたことに怒っていましたよね。
この場合、どんな対応がよいのか例を挙げてみると、記憶がない本人に対し、「ベッドをここに置くって言ったよね?」「覚えてないの?」などと言うのは、火に油を注ぐ事態になってしまうので、避けたいところ。
まずは「どうしたの?」「何で怒ってるの?」と、何が不満でイライラしているのか、話を聞くこと。実際、Aさんに「どうしたの?」と聞いてみると、「だってベッドがなぜこんな場所にあるのか、わからないんだ」と説明を始めました。
そのときは本人の言葉を否定せず、「ああ、そうだったんだね」「びっくりしちゃったよね」と、寄り添うひとことを言えたら、本人は穏やかさを取り戻せることも多いのです。
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