「松屋のコラボ店舗」が急拡大している納得理由 それぞれのこだわりカレー、いったい何が違うのか
確かに、筆者も「松屋」「松のや」が並んでいるのを見て、初めて松のやというブランドを認識した。松のやの看板だけでは「ご当地チェーン」のようにも見えてしまうのだ。
業績については、松のやをマイカリー食堂との併設に改装することにより、既存の1.8倍になった実績があるそうだ。
また全国に10店舗広がっている、3業態の複合店については、コア層の30〜40代男性に加え、ファミリー層が増える、客単価が上がるという傾向もあるという。
いいことずくめの複合店だが、課題もある。オペレーションの問題だ。それぞれ専門店なので、仕込みに手間もかかるし、専用の厨房スペースも必要になる。さらにどのブランドも2週ごとのペースで新メニューを発売するので、オペレーションが複雑になる。
「配送、食材管理、厨房のポジションなどの工夫で、生産性や効率を図る必要がある」(岩﨑氏)
松屋はもともと都内が強いチェーン。しかし複合店舗ならスペースの大きな店舗でも勝負できることから、現在、郊外ロードサイドの強化を図っている。
牛丼、とんかつ、カレーについては専門店としての認知が高まっているため、この3つの業態の複合化を積極的に進め、「牛丼界店舗数1位」を狙っていくという。2023年には72店舗を出店しているが、2024年も同程度かそれ以上の出店を予定しているそうだ。
「とくに松のやについては、2年後に同業他社を抜いて店舗数で業界1位になっているかもしれない」(岩﨑氏)
松屋における「カレー問題」
松屋フーズとしても大きな期待をかけ、消費者の立場としてもメリットが大きい複合店舗。
ただ1点、懸念されるのが「カレー問題」だ。
実は松屋、松のや、それぞれに独自のカレーが存在する。さらにカレー専門店としてマイカリー食堂がある。
複合店ではどうなるのだろうか?
まず、松屋のカレーから説明していこう。こちらは創業当時から提供されていたものの、1980年代から牛骨や牛バラ肉を煮込み、10種類のスパイスなどを調合した本格的なカレーへと移行。「ごろごろ煮込みチキンカレー」「ごろごろチキンのバターチキンカレー」といった大ヒットメニューも生み出してきた。
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