「newmo」CTOが考える「輝ける」場所の探し方 メルペイから「ライドシェア」へ軸足を移した訳

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このように、乗り手だけではなく社会の幅広いプレーヤーに対する価値提供ができる可能性を持つのが、ライドシェアという領域なのだ。

僕らは会社単体で成功できればいいとは全く思っていません。目指すのは、移動に関する課題や、その先にある社会問題がきちんと解決されている状態です。そのためには、まずは自分たちが持続可能なビジネスを作らなければいけないと思っています」

曾川景介
(写真:桑原美樹)

「何が求められているか」と向き合う

曾川さんの言葉からは、「世の中の課題に対して、自分はどう貢献するか」を考え続ける姿勢が伺える。その精神が培われたのは、WebPayを立ち上げたシリコンバレーのfluxflex社で働いていた頃だという。

「fluxflex社ではホスティングサービスを提供していたのですが、サービス事業者ではなくエンジニアが直接利用できるサービスの方がよりニーズがあるのではないかと思い、いろいろと試行錯誤を重ねました。

ただ結果としては、当時の多くの競合企業同様に、自分達のサービスは立ち行かなくなってしまって。『自分がやりたいことをやっても、成功するとは限らないんだな』と実感しました。

ところが、エンジニア向けに新たな決済サービスの提供を始めたところ、今度はうまくいったんです。エンジニアたちにとっては、ホスティングサービスそのものよりも、そのサービスを利用する際に発生する金融取引を楽に済ませることの方が、ニーズが高かったんですね。自分の頭の中だけで、サービスの価値を考えてはいけないことをを学びました」

曾川景介
(写真:桑原美樹)

それ以来、社会に何が求められているのかを考え続けてきた。曾川さんのキャリアは、その時々で過去の経緯や今の流行を見つめながら決断してきたことの積み重ねだと言えるだろう。

では、社会の状況を正しく読み、判断するために、曾川さんは何を大切にしているのだろうか。

「周囲の人の考えを知ることに加えて、仮説を持って世の中を見ることでしょうか。例えば僕がよく考えるのは、課題と課題のネットワーク効果です。

今後ライドシェアが実現すれば、副業として追加収入を得る手段を獲得できますよね。これは地方の移動の課題を解決するだけにとどまらず、地域経済を維持することにも、さらには人口流出を防ぐことにもつながるかもしれません。

一つの問題を解決すれば、一気に他の問題も解決できる可能性がある。そういう発見をするためには、自分なりの仮説を持って物事を考えることが大切です」

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