「newmo」CTOが考える「輝ける」場所の探し方 メルペイから「ライドシェア」へ軸足を移した訳
「若いうちって『どんなスキルを身に付ければ自分の価値が高まるだろう』って、つい考えてしまうんですよね。僕もシリコンバレーに行った頃はそうでした。
ただエンジニアの皆さんには、ぜひ『今の力をどう活用するか』ということに目を向けてもらいたい。もちろん、自分の力を高めてより良い機会を得ようとするのは、向上心があって素晴らしいことです。でも、今のあなたの力を必要としている人が、既にこの社会にはたくさん存在していることを、どうか忘れないでください。

労働市場において、エンジニアは今後も非常に貴重な存在です。エンジニアがいろいろな課題に取り組み、一人でも多くの人にいい影響を与えることで、より良い社会を作ることにつながると思います」
テクノロジー界隈では、単一の特異点へと向かう「シンギュラリティー」のイメージが広く共有されてきた。その一方で、単一の特異点や正しさだけでなく、多数のアイデアや視点をもった状態である「プルラリティー(複数性)」を重視する考え方も台頭しつつあるという。台湾の元デジタル発展部長であるオードリー・タンなども、プルラリティーに言及しているほどだ。
各々が抱える課題は、地域や人によって異なる。そこに画一的なテクノロジーを押し付けるのは、もはや正しい解決方法とは見なされなくなってきている。
いろいろある正解の中で一つを選ぶことができれば幸せ
エンジニアのキャリアにおいても、似たようなことが言えるのではないだろうか。FinTechからライドシェアへ軸足を移し、新たな挑戦の場に立った曾川さんの言葉を聞きながら、そう思った。
「社会は多極的なものなので、たった一つの正解があるわけではありません。そうした中で『唯一の正解』を見つけることに一生懸命になってしまうと、かなり辛いと思います。
最良の正解ではなく、いろいろある正解の中で一つを選べばいい。それができた人はきっと幸せに生きられるし、そういう人が増えることによって、社会もより良く変わっていくのだと思います」

取材・文/一本麻衣 撮影/桑原美樹 編集/今中康達(編集部)
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