極限「lim(x→0)」を考えてみましょう。これは、xが限りなく0に近づいていく、という意味です。このときに、関数「f(x) = 18/x」はどのような値を取るでしょうか。
xを少しずつ小さい値にして確かめてみると、
x=1:f(x) = 18
x=0.1:f(x) = 180
x=0.01:f(x) = 1800
x=0.001:f(x) = 18000
x=0.0001:f(x) = 180000
と、関数の値がどんどん大きくなることがわかります。これを永遠に行うと、億、兆、京と位が上がっていき、最終的には無限大になることが予想されます。これを数学用語で、「無限大に発散する」と言います。
気づいた人もいるかもしれませんが、これはあくまで「xが正の値から0に近づくとき」に限定された話をしています。
マイナスのパターンだとどうなる?
これとは逆のパターンの、xがマイナスの値から近づいていく場合も考えてみましょう。その場合は、
x=-1:f(x)=-18
x=-0.1:f(x)=-180
x=-0.01:f(x)=-1800
x=-0.001:f(x)=-18000
x=-0.0001:f(x)=-180000
となり、どんどん大きなマイナスの値になることがわかります。これは、「負の無限大に発散する」と表されます。
この考え方を用いると、「18÷0はいくつ?」という問いに対して、また新しい答え方ができるようになるでしょう。
もちろん、この考え方をすべて小学生に説明するのは非常に難しいことです。高校3年生になってやっと学習するようなことであるため、それは当たり前でしょう。
しかし「0で割ることはできないんだよ」の一言で終わらせてしまうのではなく、「0で割るって、どういうことなんだろうね?」と疑問を投げかけて、子どもの思考力を育むということが最終的にその子のためになるのかもしれない、と僕は考えています。
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