岩手「イジメ自殺」は、なぜ防げなかったのか またもや果たされない学校の説明責任

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イジメによる自殺に重いも軽いもありませんが、学校側の説明責任に大きな疑問を感じます。このような事件が起きると必ず、当事者である生徒を直接知らなさそうな校長が出てきて、「おとなしい生徒だったと聞いています」とか「詳しいことは調査中です」などと会見されます。

以前に子どもがイジメられていることを訴え出た保護者が、校長にも一緒に取り組んで貰えるよう要望したところ、「私が出るのは人が死んだときだけ」と答えた校長がいました。「私の子が死ぬまでは、校長は無関係なのか」とその保護者が詰め寄り、大問題になりました。

このような時、私たちが真っ先に聞きたいのは学校側の責任ある説明ですが、学校側は曖昧な会見や隠ぺい工作に終始します。

今回の事件は、あの「自殺の練習」「葬式ごっこ」などでイジメられ、男子中学2年生の生徒が飛び降り自殺した、2011年10月の大津の事件思い起こさせます。

大津の事件のさらにひどいところは、校長も教育委員会も驚くべき隠ぺい工作をし、何重にもウソをついたことでした。校長は最初「イジメではなくケンカだったと認識している」と会見しましたが、それはウソだったことがあとでわかっています。

2回の全校生徒によるアンケート調査で、「暴行を受けている現場を見た」「自殺の練習で首を絞められていた」など数々の証言が出ましたがそれを公表せず、陰湿な隠ぺい工作を繰り返しました。教育委員会に至っては「加害少年にも人権はある」と言って、加害者側の聞き取り調査もしませんでした。事件をできるだけ事なかれ的に解決しようとしたり保身にだけ走っているのが、見え見えでした。

真相究明よりは隠ぺいに走る教育者の姿

同様の事件は枚挙にいとまがありませんが、昔から繰り返し発生しています。たとえば1993年は、山形マット死事件がありました。イジメが続いた後、暴行を受けて顔が腫れあがった生徒が、体操のマットにぐるぐる巻きにされて、逆さづりの状態で亡くなっていました。その状態でも校長は、「教育者が介入せねばならないイジメや暴行は、本校ではまったくあり得ない」と、最初に会見しています。

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