私自身が、フルネームで名乗ることを意識したのは、独立してセミナー講師の仕事を始めたときです。ふと、過去に仕事をご一緒した、タレントさんや文化人、すなわち重要人物たちがみんなフルネームで名乗っていたことを思い出しました。
これから自分が、受講生より一段高い壇上に登り、有料の講義をする。信頼の置ける人物として受講生に認めてもらうために、フルネームで名乗ることが必須だと感じたのです。
そこで「今日の講師を務めます、守山菜穂子です」と自己紹介しました。
氏名には「姓(ファミリーネーム)」と「名(ファーストネーム)」があり、その組み合わせで自分自身が表現されています。
重要人物になりたければ、唯一無二の自分であるために、この組み合わせを両方伝えなくてはいけません。姓だけ、名だけでは、自分を半分しか伝えられていないのと同じです。
これから、人と会うたびに、自分の名前をフルネームで、丁寧に名乗りましょう。大切な自分の名前が尻すぼまりにならないように、最後の1音まではっきり発音します。続けることで確実に、周囲からの扱われ方が変わってきます。
思いは「ジェスチャー」を交えて伝える
身振り、手振り、しぐさで自分の思いを伝えることを「ジェスチャー」といいます。ジェスチャーはボディランゲージ(身体言語)の一種で、それ自体が1つの言葉でもあります。あなたも、言葉が通じない国に行ったときや、小さい子どもに対し、身振り手振りで意思を伝えたことがあるのではないでしょうか。
言葉での会話に、ジェスチャーを追加すると、思いを強く伝えることができます。これは歌に伴う、ダンスの振り付けのようなものです。
あふれる思いをプレゼンしたり、スピーチをしたりするとき、また強い拒否を示すときなどに、手が自然に動き出し、言葉を強化した経験は、誰にでもあるでしょう。
ビジネスシーンにおいて、頻繁にジェスチャーを加える人と、まったくしない人がいます。欧米人は比較的ジェスチャーが大きく、日本では郊外や地方で仕事をしている人のほうがジェスチャーが大きい傾向があります。
例えば中小企業の社長さんと、それに対する士業の人、農場、工場、工事現場などで働く人たちは、ジェスチャーをよく使います。
欧米もそうですが、多様性がある人々の関係性、かつにぎやかな場所で、自分の意思を間違いなく、しっかり伝えるために身につけた方法なのでしょう。
一方、都市部のビジネスパーソン、特に狭くて堅く静かなオフィスに詰め込まれて働いている人ほど、動きが小さくなりがちです。ほとんど自分をキュッと絞っているのではないかと思えるほど脇が締まっていて、文字通り肩身も狭そうです。
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