また、ネパールの山岳民族の多くの人々がインドに出稼ぎにきていることは、これまで出会ったネパール人から聞いていた。
しかし、インドの都市部ならまだしも、わざわざ、こんな自然環境が厳しい場所に両親が出稼ぎに来るとも考えにくい。
彼らがなぜ、この辺りに住んでいるのかを質問しようとしたが、心に収めた。こんな小さな子どもに家庭事情や歴史・宗教的背景などを聞いても意味がない。
インドでも人気の「あのキャラクター」
「俺、ネパールの曲、2つ知ってるよ」
「えーーー! なんで知ってるの?」
「インドで仲良くなったネパール人に教えてもらったんだ」
そういうと、子どもたちは目をまん丸にし、無邪気に笑った。俺はネパール民謡の「Resham Firiri」と「Yo Maan Ta Mero Nepali Ho」の2曲を小さな声で歌った。
北インドのヒッピー村のオーガニックレストランで、ネパールから出稼ぎに来ている、ドラえもんの「ジャイアン(ヒンディー語でGian)」というあだ名のヤンチャな男に強制的に覚えさせられた曲だ。
ちなみに、ドラえもんはインドでも大人気で、DORAEMON(ドラえもん)は「ドレーモン」と発音され、ジャイアンは「ジアン」、他の登場人物は「ノベタ」「シドュカ」「スニオ」と発音されている。
「レッサンピーリーリ〜、レッサンピーリーリ〜♩ 」
「ちょっと違う、教えてあげるよ」
男の子はそう言うと、歌を教えようと「Resham Firiri」を大声で歌い出した。
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