爆増する「ロピア」にも負けないスーパーの正体 従来スーパーが切り捨てた生鮮ノウハウを強化
そして、この投資が進んでいくと、2020年3月期まで右肩下がり傾向であった売り場効率(売り場面積あたり売り上げ)が急回復をみせる。その頃から、微減傾向だった既存店売上、客数増減率がプラスへと転じてきた。コロナによる巣ごもり特需もあったのだろうが、その後失速していないのだから本物とみた。
そして、結果として、営業収益を伸ばしつつ、漸減傾向だった営業利益率は上昇トレンドになった。バローのデスティネーション・ストア改装はまだまだ途上であるが、それはこの会社のさらなる成長余力を意味している。
名古屋に鳴り物入りで乗り込んだロピアと、名古屋の生鮮王タチヤがプロデュースするバローデスティネーション・ストアが激突すれば、地域のスーパー業界にも大きな刺激となるに違いない。
従来のスーパーが切り捨ててきたノウハウ
食品スーパーのオペレーションは、チェーンストア理論をベースとしているため、店舗の標準化、マニュアル化などにより、オペレーションを単純化することで、非正規雇用比率を上げて運営コストを下げて収益を確保する、という考え方が一般的である。
この戦略は、組織化されていない個人商店などからシェアを奪って成長するためには、極めて有効であったため、食品流通においてもチェーンストアが勝ち残り、主流を占めるようになった。本来、生鮮品という足の速い商品に関しては、現場でのきめ細かい管理ノウハウ(ロスを極小化して売り切るノウハウ)が重要だが、チェーンとしての全体最適のため、スーパーにおいては切り捨ててきた。
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