爆増する「ロピア」にも負けないスーパーの正体 従来スーパーが切り捨てた生鮮ノウハウを強化

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ただ順調に見える成長の軌跡だが、2010年代後半期には、収益率では少しずつ低下する傾向もみられた。一般的にはこうした状況になっても、さらなる拡大でなんとかしようとする企業が多い中、バローは立ち止まって基本戦略を大きく変更した。

名古屋の超繁盛スーパーをM&A

その時、生み出されたのがデスティネーション・ストア(他店を通り過ぎて来店してもらえる店の意)であり、生鮮売り場の魅力によって選んできてもらえる店を開発し、既存店をそのスタイルに変更していく、という方針だった。

それまでのバローは、店舗オペレーションの標準化を進め、自社物流で効率性を追求したインフラを整備し、プライベートブランド商品の開発にも注力して、EDLP(エブリデーロープライス)の店舗を実現する、といった展開で、チェーンストア理論の具現者というイメージでどちらかと言えば、オーソドックスな(ある意味、無機質な)スーパーだった。

しかし、地域における寡占化が進行してくると、チェーンストアの勝ち組同士の同質化競争となって、拡大を進めると収益が伸び悩む、という状況は避けられない。

そんな中、バローに新たな差別化戦略を提供したのが、2005年M&Aでグループの一員に加わったタチヤという生鮮特化型スーパーだ。タチヤは昔の魚屋、肉屋、八百屋の集合体のような店で、当日仕入れ、当日売り切り、というノウハウ(このため、この店には青果の冷蔵ケースもない)をチェーン化した名古屋の超繁盛店である。

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