吉野家が買収「ラーメンの食材会社」圧倒的な凄さ 麺からタレまで、国内外1600のラーメン店に供給

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吉野家ホールディングスとの縁は?

吉野家ホールディングスと宝産業の接点は広島の一軒のラーメン店だった。

吉野家の宝産業子会社化のリリース
吉野家ホールディングスのプレスリリース。「今後の事業ポートフォリオ戦略において、ラーメン事業を次なる柱と位置付けており」とのことだ(会社サイトより)

2019年、宝産業がスープを卸していた「ばり嗎(ばりうま)」というお店を国内外に展開している株式会社ウィズリンクを吉野家ホールディングスが買収し、ここ5年で売り上げをどんどん伸ばしていった。

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「ばり嗎」のラーメンを通して宝産業の商材のクオリティが認められ、吉野家ホールディングスから声がかかった。

「吉野家ホールディングスが店舗の買収だけでなく、川上にも行くことで、ラーメンにいろんな可能性を見出していることを実感します。

個人店の中には後継者問題や値上げの問題でギブアップせざるを得ないところも増えてきています。

個人店では足りない部分を我々で補いながら、お店を大きくしていく流れを作っていきたいです」(井上副社長)

宝産業
日本が世界に誇る文化となっているラーメン。それを支える企業にも、これからはもっと注目が集まっていくことだろう(筆者撮影)
宝産業
吉野家ホールディングスの挑戦にも、宝産業の今後にも注目していきたい(筆者撮影)

ビジョンとして描いているのは「吉野家ホールディングスグループが提供するラーメンの杯数を世界一にすること」。

チェーン化を志している個人店と積極的に組んでいくことで、ラーメン業界をより元気にしていく考えだ。

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井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン

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いでたいちょう / Idetaicho

全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。「東洋経済オンライン」「マイナビニュース」「AERAdot.」等の連載のほか、コンテスト審査員、番組・イベントMCなどで活躍中。近年はラーメンの「1000円の壁」問題や「町中華の衰退事情」、「個人店の事業承継」など、ラーメン業界をめぐる現状を精力的に取材。テレビ・ネット番組への出演は「羽鳥慎一モーニングショー」「ABEMA的ニュースショー」「熱狂マニアさん!」「5時に夢中!」など多数。その他、ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。著書に「できる人だけが知っている 『ここだけの話』を聞く技術」(秀和システム)がある。

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