その後、1998年関東(千葉県野田市)にも工場を作り、全国のラーメン店の商材を扱うようになる。そこでは中華料理店出身の職人たちが各店のスープの味を再現し、お店にも好評なサービスとなっていった。
「当時は脱サラしてラーメン店を始める人や異業種からラーメンに転身する人が多く、そういう人たちにとってはぴったりのサービスだったと思います。ラーメン作りのセミナーも行っていて、1週間・2週間・1カ月コースなどお店の開業支援もしてきました」(井上副社長)
その後は海外展開を行う。カナダでラーメン店を5店舗展開し、アメリカ進出の土台を作る。その後2010年にはロサンゼルスに工場を作り、アメリカのラーメン店へ商材の販売を始めた。
さらにタイ、インドネシア、フィリピン、フランスと拠点を広げ、グローバルでラーメン店を支えている。
開発担当は関西、関東にそれぞれ2人
現在は約1000社、1600店舗のラーメン店に商材を供給している。
麺は60~70種類。10種類のスープを掛け合わせることであらゆるお店のスープに対応できる。タレも40~50種類用意している。関西、関東にそれぞれ2人の開発担当がいて、日々各店の味を追求しているのだという。
しかし、まだまだ壁はある。プロのラーメン職人からすると、スープ工場で作るスープには「スキマ」があるという。スープの味がボケないように調整することは職人にしかできないと考えるお店も多い中、宝産業のスープをそのまま使うのではなく、お店で炊いたスープに追い足しで使うお店も数多い。
「お店でラーメンを食べる価値を出し続けるには、家で食べるラーメンと二極化していかないといけません。我々は今後も店舗用に限定して商材を磨き上げていくつもりです」(井上副社長)
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