アラサー女子「なんとなく不安」の正体とは? 脳科学の専門家に相談してみた
「現状維持」に満足しがちな女性脳
編集者A:今年29歳になるんですが、今は仕事も生活もそれなりに楽しくやっていて、特に不満があるわけではありません。でもこのままでいいのか、将来を考えると不安になります。
米山:30歳前後といえば、次のステップに移るタイミング。結婚にしても、転職にしても、新しい世界に飛び込むのは、それなりのリスクを抱えることになりますから、誰だって不安に感じるはずです。
ただ、思い切って踏み出してしまえば、意外と何とかなるものでもある。困難に打ち勝ったという人も、最初からその覚悟を決めていたわけではありません。たまたま踏み出した世界で思いがけない困難にぶつかって、何とかしようと奮闘しているうちに、結果的に乗り越えたということが多いのです。壁にぶち当たってもそれを打ち破る能力は、人間はもともと秘めているものなんです。
編集者A:その「思い切って踏み出す」というのが、なかなかできないんですよね。
米山:特に女性の場合は、変化に対する抵抗感が大きいといえます。たとえばテレビをつけると、そこで流れている番組をそのまま見続けてしまいませんか。一方で、男性はあわただしくザッピングする。つねにもっといいものはないか、新しい発見はないかと探してしまうのです。
編集者A:それは脳内の違いなんですか?
米山:闘争心や挑戦意欲、決断力を高めるといわれるテストステロンの値を見ると、一般に女性の分泌量は男性の10分の1程度です。極論すれば、男性は闘争意欲が強く、「偉くなりたい」「金持ちになりたい」というシンプルな欲望を抱けるのに対して、女性は「その場の和を大切にしたい」「家族や仲間と仲良くしたい」という傾向が強い。だから特に仕事においては、わかりやすい目標が見い出しにくいのでしょう。