こうして、コロナ禍後の反動で売り上げを伸ばしたニコアンドコーヒー。もちろん、ただ耐えていたわけではない。特にここ数年は、さまざまな他社製品とのコラボレーションメニューも積極的だ。中でも人気となったのが、人気のお菓子「クッピーラムネ」とのコラボレーションメニュー。クッピーラムネが有名な、名古屋に出店する際に作ったオリジナルメニューである。
「これがインスタグラムなどで広く拡散されました。当初は1店舗限定だったのですが、なぜ他の店舗でも売ってくれないのか、という声が多くて。結果的に全国メニューとして再販したんです」(増田氏)
こうしたコラボレーションメニューの人気も後押しして、その知名度は徐々に上がっていった。
今後の課題は「カフェとしての認知度」
ゆっくり、じっくり店舗を増やし続け、各地域に根付く店舗を作ってきたニコアンドコーヒー。これから、どのような姿を目指していくのか。
「他のチェーンカフェだと長時間仕事や勉強をされる方が多いと思うのですが、大体のお客様は30分ぐらいのご利用が一つの目安かと思います。買い物の途中で、ちょっと疲れたから休むという利用が多いです。ただ、我々としては、より『カフェ』として認識されてほしいという気持ちもありますが」(増田氏)
「カフェ」としての存在感を高めていくこと。これが、喫緊の課題だと考える。その中でニコアンドが行うのは、他社製品とのコラボだ。先ほども触れた、クッピーラムネだけでなく、優れた他社のコンテンツを貪欲に取り入れている。例えば、ファミリーレストランチェーンのデニーズとのコラボも行う。
「デニーズさんは若年層を取り込みたかったようで、私たちをご指名いただきました。僕たちもデニーズさんにいらっしゃるファミリー層をより取り込みたい気持ちがあったので、ある種、相思相愛ですね。
デニーズに関しては、物販も飲食も合わせてコラボレーションしましたが、飲食だけのコラボレーションなどであれば、他社さんともコラボできる可能性はあります」(増田氏)
こうしたコラボレーションの流れの中で、4月・5月にはタピオカミルクティーでおなじみのティーチェーン・ゴンチャとのコラボ商品も発表した。これからもこのような意表を突いたコラボレーションが盛んになっていくのかもしれない。
また、ニコアンドの親会社であるアダストリアは、イトーヨーカドーとアパレル部門において、積極的な協業を行っている。業績低迷が叫ばれるイトーヨーカドーであるが、そこに、ニコアンドコーヒーが出店する可能性はあるのか。
「出店することに後ろ向きではありません」(増田氏)
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