救急車「不適正利用」解決に"利用料"徴収はありか 「入院しない軽症者の搬送7700円」始めた地域も
まずは、全国の救急出動と搬送人数の過去の推移を見ていこう。
これらは新型コロナウイルス感染症が流行しはじめた2020年に減少したものの、コロナ禍になると急増している(※外部配信先ではイラストを閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。
病気やケガの程度の割合を見ると、入院を必要としない軽症が48.4%で、入院が必要な中等症が42.9%となり、ともに4割を超えた
一方で、3週間以上の入院が必要な重症が7.2%で、死亡が1.3%だ。
総務省消防庁は、軽症者の救急車利用を減らして、重症者に優先的に回そうと、病気やケガで救急車を呼ぶかどうか迷ったときに看護師や相談員などからアドバイスを受けられる電話相談窓口「#7119」の認知向上に向けた広報活動に注力している。
高齢者の救急搬送が6割超に
ここに来て比率が高まっているのが、高齢者の救急搬送だ。65歳以上が全体の6割(61.6%)に達している。10年前は5割台(54.3%)、20年前は4割台(41.4%)だった。
総務省消防庁の2023年度「救急業務のあり方に関する検討会」で座長を務めた有賀徹氏(独立行政法人労働者健康安全機構顧問)は、こう話す。
「今後、さらに問題になるのは高齢単身者の増加。患者の基礎疾患(持病)や合併症などの情報が把握しにくくなるため、救急隊員は患者の情報の取得に苦労し、結果的に時間を要することになる」
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