どこまでドッキリ?「全力!脱力タイムズ」の裏側 「渡部復帰」「アンタッチャブル復活劇」はこうして実現した

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「あの企画は寺田さんが考えてくれたのですが、適任のナレーターがいなくて保留にしてました。そんなときに、滝沢カレンさんが面白いという話を聞いたんです。オファーをして一度テストするとこれが面白すぎて、そのまま放送しました。この回のゲストはサンドウィッチマンの伊達(みきお)さんだったのですが、ツッコむのを忘れてゲラゲラ笑っておられて。これはいけると、ワクワクしたのを覚えています」(ラリータ氏)

開始当初の「衝撃映像を見て脱線する」内容から、本来のテーマとは関係のない話題で脱線しまくるコント色を強める形にモデルチェンジしていた『脱力』の世界観は、滝沢氏のヘンテコなナレーションVTRをきっかけに、広く知られるようになっていく。

滝沢氏に負けず劣らず、その本編も当時からかなりぶっ飛んでいた。それはたとえば「AKB48の神セブンを紹介する内容で、横山由依を紹介すると見せかけて、漫画家の横山光輝氏がタバコを吸っている写真を出す」といった具合だ。

物事の視点を思い切りズラした、ときに観る人を「これでいいの?」とヒヤヒヤさせつつも、笑いの渦に引きずり込む。そんな『脱力』の魅力が世間に届き始めると、絶大な支持を集める人気番組へとのぼりつめていった。

写真左から、放送作家の寺田智和氏、カツオ氏

芸人ゲストにとって触れてほしくないタブーに平然と切り込んだり、タレントゲストが芸人ゲストのネタをパロディーにするなどなどーー。さまざまな攻めたチャレンジを続けてきたが、中でも、番組が芸人ゲストの発言を絶妙に編集して、別の内容に加工した「捏造インタビュー」は『脱力』らしい“攻めた笑い”の真骨頂といえるかもしれない。

「捏造インタビューなどの企画について、SNS上では『ゲストを追い込んでいる』『無茶ぶり』と書かれることもありますし、『嫌だな』と思う人もいるかもしれません。でも僕らは、芸人さんやゲストの俳優さんらが、即興やアドリブ力、ワードセンスも含めて全力で取り組んでいる姿を見てほしいんです。『ゲストの意外な一面が見られた』『この芸人が想像以上に面白かった』と思ってもらえるところまでたどりつけたら嬉しいですね」(ラリータ氏)

俳優たちから「ぜひ出演したい」と逆オファー

なにかと独特な『脱力』だが、想像もしない笑いが生まれる様に魅了される関係者は多く、実際、名だたる俳優や、人気芸人たちが出演してきた。普段バラエティー番組にはめったに出演しない俳優から「ぜひ出演したい」と逆オファーを受けたこともあるという。

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