鹿島、新社長が「業績復活のカギ」を語る

新中期計画で目指す名門の再生

「今年度は来年度、再来年度に向けた準備の年」と語った押味至一社長
 建設業界が活況の中で、鹿島の2015年年3月期連結はスーパーゼネコン上場4社の中で唯一、減益となり、単体決算は2010年3月期以来の赤字となった。そうした中、5月に公表した新中期計画には「再生」の文字が入っていた。「2020年度には土木、建築ともに業界トップ水準の高利益体質を実現する」という目標を掲げた鹿島。名門の復活なるか。6月に就任した押味至一社長に聞いた。

 

──2015年3月期の単体決算は赤字。その中身は土木、建築ともに赤字という厳しい結果だった。

土木が赤字となった最大の要因は海外の大型工事。建築は国内の大型低採算工事が足を引っ張った。海外大型案件は工事損失引当金を計上し、会計的には処理を終えた。(5月に発表した)中期経営計画の中にある「再生」は、主に国内の建築部門について考えていることだ。特に、過去に受注した首都圏の再開発など大型案件の不採算工事は、2015年度中に完工して、新たな工事にシフトしていきたい。

建築部門の低採算には理由がある。3年ほど前、競争が厳しく安値受注した、いわゆる「底値」の時代があった。この時、特に東京で当社は多くの大型建築工事を受注し、競争に勝ったと思っていた。だが、その後の労務費高、資材高が工期の長い大型工事の採算を悪化させ、完工が近づくにつれ、赤字が出た。

2015年度はこうした不採算工事を完全に終えて、さらに忙しくなる2016年度、2017年度に向けた準備の期間と位置づけている。

「思い切ったシフトを考えている」

──準備とは、具体的に?

一言で言えば「山くずし」(平準化)だ。協力会社を含めて全国の仕事量を整理する。首都圏、地方とも、今後いくつもの大きな工事の山が来る。それを効率的にこなしていくために、人の配置も含めて、思い切ったシフトを考えている。

大切なのは、現場が第一だということ。本社、支店はそれぞれの現場を支える意識を強く持ち、協力会社に対する支援も十分に行っていく。現場が苦労したり、困ったりしていることを解消するために、特に技能工を全国の工事量に対応して適切に配置していくことが重要だ。

──だが、建設業界には技能労働者不足という共通の問題がある。

同じ時期に違う現場で同種の工事が始まると、特に人が足りなくなる。たとえば、鉄骨工事が始まったら溶接工が足りなくなるとか。また、耐火被覆工事のような環境的に難しい仕事は、いつも人手が不足している。

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