鹿島、新社長が「業績復活のカギ」を語る 新中期計画で目指す名門の再生

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特殊な技能工の絶対的な不足を早期解消できない。将来的にもなり手が少ないだろう。そこで今考えていることは、「多能工的な職人」を増やすことだ。一つの技能しか持っていない職人に、新たな技能を身に付けてもらう。そうすることで、1カ月に18日しか働けない職人が、もうひとつの技能を生かして25日働けるようになったりもする。

当然、(働く日数が増えれば)毎月の給料は上がる。それだけでなく、一つの工事現場、あるいは近くの複数の工事現場で働くことが多くなり、遠く離れた工事現場に移動することが少なくなる。移動が入ると2~3日ぐらい空くこともある。これが少なくなるだけでも効率化の効果は大きい。

多能工化に二つの効用

おしみ・よしかず●1974年東京工業大学工学部卒、鹿島入社。2005年、執行役員・横浜支店長。建築管理本部長経て、13年に専務執行役員・関西支店長。15年6月から現職。

また、環境の悪い仕事を専業でするというのは、特に若い人が辞めていく大きな理由にもなっているが、多能工化で機械を使った楽な仕事が増えたり、働く時間が増えることで給料も増えるようにしていく。

──今後の具体的な取り組みは?

当社の子会社が中心となってやっていく。協力会社の職人の多能工化を支援、育成していくことで、協力会社自身も仕事の幅を広げられる。

2016年度、2017年度も施工能力目いっぱいの仕事量が見えている。「山くずし」をしても、増えるのは施行高でせいぜい15%程度。(労務費高、原材料高で)受注金額や完工高は増えても、たとえば完工延べ床面積など、実質的な工事量そのものは増えないこともある。

「多能工的職人」は効率化と人手不足解消のひとつの手段というだけでなく、現場で働く職人の処遇改善にもつながるだけに、そのために必要な機械なども含め、協力会社を支援していく。

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