別れた夫の悪口を子どもに言わなかった母の思い 2人の「ひとり親の子育て」を通じて感じたこと
1人で3人の子どもを育てることになったお母さんがいました。お父さんは子どもたちの面倒をよくみるとてもいい人でした。読みたい本も買い与え、よく遊び、子どもたちはお父さんのことが大好きでした。
でも、好きな女性ができて、そのお父さんはある日、家を出て行ってしまったのです。
ほかに好きな人ができるのは、人間の感情としてありえます。人間の感情ですから、仕方がないですね。理由はいろいろあるでしょうけれど、今どき離婚なんて、珍しくはないでしょう。
とはいえ、実際に別れるのは、大変です。1人で3人の子育てをすることになったこのお母さんもそうでした。
あなたたちのお父さんは、大切な人
でも、このお母さんが偉かったのは、出て行った父親の悪口を、子どもの前でいっさい言わなかったことです。「あなたたちのお父さんは、とても大切な人だよ」と、言い続けたのですね。
腹の奥底では、ぶちまけたいこともたくさんあったでしょうが、それを子どもの前では封印しました。
子どもたちの健やかな成長を考えたとき、思い出の中であっても大好きな父親が生き続けることを、何より最優先させたのです。
母親も人間です。苦しむし、悩むし、傷つきます。
でも、たとえ本心ではなくても、うそであっても、「あなたたちのお父さんは、とても大切な人」と言ったお母さんは、偉かったと思うのです。
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