別れた夫の悪口を子どもに言わなかった母の思い 2人の「ひとり親の子育て」を通じて感じたこと
父親の頭をなでながら、
「父ちゃん、悪いことしてへんか!?」
と冗談まじりに尋ねたら、
「してません! 校長先生、もういい加減、言わんといて。わしほんとに真面目に生きてるから!」
と、真っ赤な顔して、破顔一笑。
その隣で息子は、私の顔をまっすぐ見つめて、「大丈夫、大丈夫」って頷いていました。
お父さんは何度もやり直しをして、変わったんですね。
大人だって、可能性は無限大。人はいくらでも変われる生き物なんです。このお父さんがそのことを、教えてくれました。
お父さんの悪口は言わないで
大空小学校は、子どもが自由になんでも言える場所でした。だから、子どもたちも家のことをたくさん、教員たちに話してくれました。
「お父さん、お母さん、いつもケンカしてる。いつ別れるかわからへんわ」
「毎日ケンカしてるから、俺、黙ってる。家ではなんもしゃべれん。こんなんなら、別れたほうがいいかもしれない。でも、パパかママかどちらかについて行くなんて、究極の選択やろ? そんなん、できんな」
なんて、軽い感じで話す子もいました。
夫婦を何年もやっていたら、ぶつかることもすれ違いも、あるでしょう。腹が立ってケンカをしてもいいけれど、弱者(子ども)を守る視点を、忘れてはいけませんよね。言ってはいけないことがあります。
言ってはいけないこととは、何か?
その場にいる1人ひとりが、想像しないといけません。それぞれに違うと思いますが、少なくとも、大人への信頼をなくすようなことは言ってはいけないと思います。子どもに「こんな親で不幸だ」「大人になんてなりたくない」なんて思わせてはいけないですから。
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