これらのデザインは、テーマに合わせてデザイン会社が提案するそうだが、凝りすぎると機能性が弱くなり、家具が壊れやすいなどのリスクも。その回避のため、使い勝手や耐久性についてはホテルから意見を積極的に出して、一緒に客室を作り上げている。
「私たちのゴールはあくまでお洒落さではなく、快適性と居心地の良さですから」と堀田氏は言う。
こだわりのバスタイム
改善の3つ目は、バスタイムだ。
実は1994年、ホテルメッツの創業時のコンセプトは、「駅近かつ、足が伸ばせてゆっくりくつろげるバスタブがある」だった。これを今でも守り、大浴場を設けたビジネスホテルが増えるなかで、ホテルメッツは客室での入浴スタイルを貫いている。そして、ゆったりとくつろげるバスタイムへの改善を続けているのだ。
たとえば設備面では、2018年以降は構造的に不可能でない限り、バス、トイレ別で、独立した洗面所を設けるレイアウトへ改装を進めている。アイテムで言うと、アメニティステーションに「眠りやすくなる効能」を謳ったものなど、リラックスできる複数の入浴剤を用意。
上位ブランドの『JR東日本ホテルメッツ プレミア 幕張豊砂』では、「バブ」や「日本の名湯シリーズ」といった入浴剤もあるそうだ。
入浴剤について、バスタイムにこだわるなら、オリジナル入浴剤を作ってもいいのでは?と問うたところ、「オリジナル入浴剤はあっても良いと思うものの、現状では、ひと目でゲストがわかる有名メーカーや温泉の安心感を選んでいます」という答えが返ってきた。
バスタブも同じ理由で、TOTOやLIXILなど、信頼のある大手ブランドの規定を遵守したものから選んでいるとのこと。備品の選び方ひとつとっても、地道だ。
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