たとえば近年建てられたホテルメッツには、クローゼットがない。少しでも客室を広くするためだ。コートや上着を掛けられる場所としては、柱にハンガーバーが用意されている。これなら場所を取らず、圧迫感もない。また、前編でも少し触れたが、客室にアートも置かない。埃が溜まりやすいからだ。
さらに、客室には歯ブラシ、タオルと、バスルーム備え付けのシャンプー、コンディショナー、ボディソープ以外のアメニティもない。ロビーにスキンケア用品、ひげそり、ヘアブラシなどを集めたアメニティステーションがあり、必要なものだけを選んで客室に持っていくスタイルだ。
「私たちが快適な客室を表す言葉に、『不足もなく、余分もない空間』があります。お客様満足のためには、足りなくても、多すぎてもいけない。その発想からアメニティステーションが生まれました」と堀田氏。
このスタイルは結果として、清掃スタッフがアメニティを補充したり、持ち歩かなければならない手間が減り、清掃時間の削減にもつながっている。さらにエコにも貢献する。まさに三方良し、ウィンウィンの好循環を生んでいるのだ。
自動チェックインも導入済み、その想いとは?
他方、サービス面ではコロナ禍から、スタッフによるチェックインをなくした。現在、1軒をのぞく24ホテルに自動チェックイン機が配備されており、不明点があれば近くにいるスタッフか、不在時はモニター越しにインフォメーションセンターでリモート対応する。
その導入理由はもちろん省人化、だけではない。「DXを推進することでサービス効率を上げ、人にしかできないサービスに注力することが主目的です。より快適な時間を提供する仕組み作りの一環なんです」(斎藤氏)。
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