「貯蓄から投資へ」一気に加速している納得の背景 馴染みのスローガンもついに終わりを迎えるか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

それが、足元では投資への流れが加速して、投資が当たり前の世の中になりそうな勢いです。その背景を、乱暴ですがあえて2つにまとめると、1つは10年ほど前からの政府施策に端を発し、もうひとつは個人の投資に対するマインド変化ではないでしょうか。この2つが両輪となって貯蓄から投資への流れが形成されつつあるのです。

「貯蓄から投資へ」後押しした3つの施策

政府による施策としては3つ挙げられます。1つは2014年に金融庁が策定した日本版スチュワードシップ・コード(「責任ある機関投資家」の諸原則)です(以下、SSC)。

イギリスのSSCをモデルにして、機関投資家が投資先企業の持続的な成長を促し、顧客・受益者の中長期的なリターン拡大を図るための7つの原則(現在は8原則)が定められました。

一番の特徴は法的拘束力がないことです。「Comply or explain」精神のもと、Comply (従う)するかどうかは(機関投資家の)自主性に委ねられ、従わないしない場合は、説明(Explain)責任を果たすことが求められます。金融庁によると、SSCの受け入れ表明をしている機関投資家は、当初120社程度でしたが、昨年末には331社まで拡大しています。

2015年には、金融庁と東京証券取引所により上場企業に対するコーポレートガバナンス・コード(企業統治方針)が策定されました(以下、CGC)。CGCもSSC同様に法的拘束力はありませんので上場企業には、やはりComply or explainに基づいた対応が求められます。

SSCとCGSは、インベストメントチェーンの3つの主体のうち2つ、機関投資家と上場企業に対して導入されたものですが、3つ目の個人投資家を対象としたものが、NISA(少額投資非課税制度)です。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事