「高リターンの投資先が日本にない…!」個人の投資マネーの“海外流出”を加速させる新NISA。日本経済にもたらす深刻な影響とは?

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「高リターンの投資先がない」日本の残念な現実。その結果、日本企業が生産性を高めるために必要な資源が減少する。そして、国内投資先の収益率はますます低下する(写真:taa/PIXTA)
「貯蓄から投資へ」というスローガンのもと、大きな期待を背負って始まった新NISA。しかし実態は、家計資産の海外流出を招き、日本経済の足元を揺るがす結果となりつつあります。国内に魅力的な投資先が乏しい中、個人の投資マネーはより高リターンを求めて次々と国外へ流れているのです。
本記事では『日銀の限界』より一部を抜粋・再編集し、新NISAがもたらす家計資産の海外流出の現実と、それが日本経済にもたらす深刻な影響について詳しく解説していきます。

新NISAを通じた海外投資の急増

新NISAへの資金流入が急増し、家計資産の海外シフトが起きた。

日本証券業協会によると、証券10社の2024年1〜5月のNISA口座の新規開設数は224万件と、前年同期の2.6倍だった。

このかなりが、海外に流出している。1月以降、投資信託委託会社等による対外証券投資は、旧NISA時代の平均を大きく上回った。日興リサーチセンターの調査では、1〜5月の海外株式型投信への純流入額は、5兆4284億円と、前年同期の約5倍だった(日本経済新聞、2024年6月28日)。

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