ラーメンライター「取材拒否店」での聞く技術 下調べは難しく、本番に賭けるしかない状況で

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取材
名店の店主がご自分の愛する名店を紹介していくというリレー式の連載を持つ、井手隊長氏。取材を通じて得た、情報を引き出す聞く技術とは(写真:KYONZO/PIXTA)
情報の価値が日に日に高まっていく時代の中で、ほかの人たちが知り得ない情報を握れる力は極めて重要です。長年、ラーメンライターとして、寡黙な人も多いラーメン店主に何百人も取材してきた井手隊長さんの新刊、『「ここだけの話」を聞く技術』より一部抜粋・再構成のうえ「取材拒否のお店」での聞き方についてご紹介します。

下調べも難しい取材拒否のお店

私が「AERA dot.」で書いている連載は「ラーメン名店クロニクル」といって、名店の店主がご自分の愛する名店を紹介していくというリレー式の連載です。

リレー式連載とはいえ、取材して書くのは私。次に取材する店は、名店の店主が毎回その場で指名します。というわけで、私は毎回、次にどこに取材するのかわからないという珍しい企画になっています。

つけ麺の元祖として知られる「東池袋大勝軒」からスタートし「支那そばや」「飯田商店」「金色不如帰」など、誰もが知っている名店がずらりと名を連ねる連載です。

取材を受けてくださるお店は、毎回ラーメン業界を代表する名店です。そんな名店の店主が愛する名店として指名するので、時には取材拒否のお店の名前が挙がることもあります。

私が通常の流れで取材を申し込んだら受けていただけないようなお店が、名店の店主の紹介で取材OKになることがあるのです。

こういうときは本当に緊張します。取材拒否のお店なので、そのお店の情報は、最低限のものしかネット上に上がっていません。入念に下調べをすることも難しく、あとは本番に賭けるしかないのです。一度、取材拒否のお店を営業時間中に、カウンター越しに30分だけ取材したことがあります。

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