サントリーCM「ひろゆき」起用に見る"したたかさ" 成田悠輔はダメなのに、ひろゆきは大丈夫な理由

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そんなひろゆき氏を起用したサントリー側の対応を批判する声も上がっている。

同社の代表取締役社長の新浪剛史氏は経済同友会の代表幹事も務めるが、そうした影響力のある会社が、物議を醸す人物の起用を容認したことを咎める声も見られた。

また、新浪氏が旧ジャニー喜多川氏の性加害問題に際し、SMILE-UP.社の対応を厳しく批判し、同社所属のタレントの起用を見送ったことを挙げる人も。性加害と過激発言と内容はかなり違うものの、「旧ジャニーズタレントは毅然として起用しないのに、ひろゆき氏は当たり前に起用するのはどうなのか?」といったものだ。

一方、キリンの広告を降板になった成田悠輔氏は、3年前にネット番組で「高齢者は老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」といった発言をしたことが問題視された。

発言や行動だけを切り取ってみると、ひろゆき氏は継続起用しても大丈夫で、成田氏は取り下ねばならない……ということに明確な基準は見当たらない。

筆者はかつて長く広告代理店で勤務していたが、実際のところ、広告を取り下げるか取り下げないかという判断は明確な基準があるわけではない。

広告している商品に健康被害をもたらすような致命的な問題が見つかったとか、広告表現が法律に触れるものだったとか、起用しているタレントが逮捕されたとか、そうしたケースであれば、無条件で取り下げにはなる。しかし、批判が起きたということであれば、各社がケースバイケースで随時判断をするのが一般的だ。

なぜ、ひろゆき氏の広告はOKなのか?

サントリーは日本でのトップ企業であるだけでなく、日本の広告・宣伝を牽引してきた企業でもある。創業者・鳥井信治郎氏の「やってみなはれ」精神は、これまで広告・宣伝でもいかんなく発揮されてきたのだが、それによって行き過ぎてしまうこともたまにある。

実際、これまでサントリーは、何度か広告・宣伝関連で炎上している。たとえば2011年、韓国焼酎「鏡月グリーン」のホームページで「日本海」の言葉に韓国・北朝鮮が主張する「東海」の表記を行ったことが批判され、謝罪のうえ、削除を行っている。

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