16年の幕を閉じた「沖縄国際映画祭」が残した課題 映画だけではない、総合エンタメの祭典だった
比屋根氏は「この3年間でファンドを作りました。コンテストのプレゼンからファンド出資者とつながるエコシステムを4年目以降に作っていきたい。県内のいろいろな行政機関とも連携を深めてきて、次のステップとして県の補助事業でのテストマーケティングをする流れができつつあります。4期目はそういうエコシステムをさらに拡充していきます」と意気込みを語る。
沖縄国際映画祭は終わるが、沖縄の多くの若い世代がソーシャルビジネスに関心を寄せるようになったいま、島ラブプロジェクトはここからさらに羽ばたいていきそうだ。
16年の笑顔と感動が凝縮されたラストライブ
映画祭としては、かねて取り組んできた地域課題の解決を掲げる地域発信型映画や、老朽化のため昨年解体された沖縄最古の映画館・首里劇場を舞台にするドキュメンタリー特集、沖縄の風景や文化を映す沖縄舞台の作品をセレクトした沖縄産映画特集などが上映されたほか、お笑いコンビ・ガレッジセールのゴリが照屋年之として監督する新作『かなさんどー』発表イベントなどが行われ、映画祭ラストを賑やかに締めくくった。
そして、映画祭の終幕を華やかに彩るエンディングイベントは、16年の映画祭の歴史と沖縄の伝統芸能が融合する2部構成のライブ『Laugh&Peace LIVE』だ。
1部は、第2回から出演してきた映画祭を代表するアーティスト・かりゆし58によるライブ。これまでのステージの思い出を振り返りながら、映画祭最後の夜への思いを語り、熱く歌う。満席となった那覇文化芸術劇場なはーとの観客の心を震わせ、涙を流しながら拍手を送る人の姿も多く見られた。
2部は宮沢和史プロデュースによるステージ。沖縄県内外で活躍する若手琉球古典音楽演奏家・親川遥の古典演奏、親川遥と宮沢和史との「島唄」コラボ、そして宮沢和史のライブが開催された。
最後はこの日の出演者全員がステージに集い、THE BOOMの「シンカヌチャー」を歌った。バックスクリーンには過去16回の映画祭の映像が流され、観客全員が手拍子をしながらエイサーの掛け声をあげる。映画祭の16年をともに過ごした仲間が一体になり、最高の笑顔と感動の涙に包まれた、沖縄国際映画祭らしいエンディングになった。
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