米国の追加支援でウクライナ軍はどう変わるか パトリオットにF16戦闘機、砲弾枯渇状態に恵みの雨、

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これは正しい情勢認識と筆者は評価する。しかし、ここまで言い切った岸田首相には、先述したように、ロシアのミサイル攻撃に苦しむウクライナが各国に求めているパトリオットの供与を日本も行う必要があることを率直に語ってほしい。

日本政府はすでに2023年12月、アメリカ企業のライセンスに基づき日本で生産するパトリオットの弾頭部分のみのアメリカへの提供を実施した。アメリカ経由でウクライナに渡る事実上の「間接供与」である。

日本政府による「間接供与」

直前に防衛装備品の輸出ルールを定めた防衛装備移転三原則と運用指針を改定したうえでのスピード実行だった。しかし大幅なルール緩和であるにもかかわらず、岸田首相は自民、公明両与党の実務者による密室協議で作業を進め、十分な国会論議も行わなかった。

岸田首相には、先述したように発射装置を含めてパトリオットの不足に苦しんでいるウクライナへの現状について国会できちんと説明し、そのうえで、攻撃兵器ではなく、住民を空爆から守る防御用兵器であるパトリオットの発射装置ごとの供与を実現するよう求めたい。

吉田 成之 新聞通信調査会理事、共同通信ロシア・東欧ファイル編集長

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よしだ しげゆき / Shigeyuki Yoshida

1953年、東京生まれ。東京外国語大学ロシア語学科卒。1986年から1年間、サンクトペテルブルク大学に留学。1988~92年まで共同通信モスクワ支局。その後ワシントン支局を経て、1998年から2002年までモスクワ支局長。外信部長、共同通信常務理事などを経て現職。最初のモスクワ勤務でソ連崩壊に立ち会う。ワシントンでは米朝の核交渉を取材。2回目のモスクワではプーチン大統領誕生を取材。この間、「ソ連が計画経済制度を停止」「戦略核削減交渉(START)で米ソが基本合意」「ソ連が大統領制導入へ」「米が弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約からの脱退方針をロシアに表明」などの国際的スクープを書いた。

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