「大阪・関西万博」が赤字の場合、大阪府市で負担も 大阪府の吉村洋文知事が赤字負担に言及
吉村知事:僕としては③の考え方(全部または一部保存案)だが、全部保存は難しい。リユース(再利用)はするので、①案や②案で使われることも当然ある。でも、この木製リングをぜひ長妻さんにも視察に行ってもらいたい。1周2km、高さ20メートル、幅30メートル、世界最大級の木造建築物で、あっ、こんなものを日本で作れるのか、と。圧倒的な存在感だ。おそらく来場される方は「これは残すべきだ」となると思う。僕の政治家の感覚として直感で最初に見た時にそう感じた。いろいろ課題はあり、民間の提案というのが重要になってくるのだが、何らかの形で一部を残してレガシーにしていく方がいいのではないか、といま思っている。
長妻昭氏(立憲民主党政調会長):やはり予算、金のことが気になる。当初予算よりも1850億円、リングを作ることで予算が膨れた。その時、吉村知事は、これが増額の最後だ、と言ったのに、また増えて2350億円と。赤字にならないように努力されると思うが、問題は赤字になった時に誰が負担するのか、あらかじめ決めるべきだと言っている。
膨れ上がるコスト…使える?“大阪の貯金”
橋下氏:万博の経済効果は約3兆円あると言われている。3兆円の経済効果がある政策なんて国政でもなかなかない。3兆円の経済効果があるのなら、だいたいこれぐらいの投資額として許容できるよね、という議論を本来は万博協会や大阪府市、国でやるべきだ。「もう絶対お金はかかりません」ではなくて、これぐらいの投資額が必要だという議論をすべきだった。最後の負担、もうそれだけぐちゃぐちゃ言われるのだったら、大阪府市で持ったらいいではないか。大阪府も大阪市もいま財政調整基金があわせて4600億円ぐらいある。
何が言いたいかというと、それ(基金)を大切に使えというのはわかるが、3兆円の経済効果、大阪に対するこの経済効果を考えたときに、吉村さん、最後はこの金を使ったらいいではないか。
吉村知事:1160億円の予算がかかるとして、経済界が入場券700万枚を買うと言っているから、それで500億円ぐらいはすでに確保できている。そう考えると、もし赤字が出た場合には、橋下さんが言う通り、大阪府市で負担するという考え方はある。
梅津キャスター:大阪の人からはさまざまな意見が出そうだ。
吉村知事:その時は黒字も大阪府市が全部もらう。でも、それがいいのか、というと、僕はそうではないと思う。万博はやはり(政府主催の)日本万博であって、主催者(政府)が日本万博を大阪でやるということだ。日本の未来課題解決、日本全体に効果を波及させる、万博発のレガシーも日本の成長のために、日本を良くするために僕はやっている。それを大阪でやる。そういう意味では、「赤字が出たら大阪、その代わり黒字が出たら大阪だよ」という議論はちょっと乱暴かなと思う。