「ぬいぐるみと暮らす大人たち」の少し意外な本音 「ぬいぐるみ病院」を訪れる人々が大切にするもの

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――根気が必要な治療ですね。こやまさんは、なぜこういった、ぬいぐるみと暮らす人々のことを作品に描こうと思ったんですか?

こやま:もともとは出版社の方から「ぬいぐるみと人についての漫画を描きませんか」とお話をいただきました。それで大阪にある堀口さんの「ぬいぐるみ病院」さんにうかがって、お話をたくさん聞かせていただき、用意してもらった資料などをもとに漫画を描き始めました。

でも「取材で感じたこの思いを、どうしたら伝えられるだろう?」と考えていくうちに、「実際にぬいぐるみと暮らしていらっしゃるご家族のお話を聞いてみたい」という気持ちがどんどん強くなって。そこで、ぬいぐるみ病院さんのご協力を得て取材をさせてもらい、この作品が生まれました。

わたしのぬいぐるみさん
(『わたしのぬいぐるみさん』より)

外で気を張っている人もぬいぐるみに癒やされている

――ぬいぐるみって、昔だと「子どものもの、女性が好むもの」といったイメージでしたが、『わたしのぬいぐるみさん』では大人たちが性別問わず、かけがえのない存在として接しています。それを見て「あ、自由にみんな好きでいいんだな」と感じました。男性も本当はぬいぐるみが好きな方は多いですよね?

こやま:私たちが知らないだけで、そういう方も多いんだと思います。私の友人にも、旦那さんがぬいぐるみ大好き、という人がいて。ただ、取材は恥ずかしがって受けていただけなくて、友人を介してお話を聞かせてもらいました。

この本は、性別が偏らないように、というところは意識して描きました。「ひとりじゃないよ、仲間はたくさんいるよ」ということを、描けたらとてもいいのかなと。

わたしのぬいぐるみさん
(『わたしのぬいぐるみさん』より)

堀口:私も、思ったよりは(男性が病院に)いらっしゃるな、という感覚がありました。ぬいぐるみ好きの方って「優しげで引っ込み思案な方」といったイメージがあると思うんですが、実はキャリアウーマンとか芸能界の方とか、デザイナーさん、芸術家の方など、外で活躍されている活発な方がけっこう多いんです。

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