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「ぬいぐるみと暮らす大人たち」の少し意外な本音 「ぬいぐるみ病院」を訪れる人々が大切にするもの

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  • 大塚 玲子 ノンフィクションライター
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ぬいぐるみが?と思われるかもしれませんが、命を救われている方は、たくさんいらっしゃるんです。クリーニングサービスのような感じではなく、本当の家族といいますか、命ある存在として迎え入れるような、そんなことをやってみようと思いました。

前例があまりなかった、ぬいぐるみの治療

――この本を読むまで、こういった場所があることをちっとも知りませんでした。

堀口:当時ぬいぐるみを治療として受け入れる前例はなかったんです。洋服のお直し屋さんの中にあったり、おばあさまがおひとりでされているとことはあったのですが、ぬいぐるみだけを大切な存在として受け入れるところはなかったので、いろいろ研究して、治療方法もひとつずつ考えながら、やってきました。

――病院のサイトで写真を見せてもらいましたが、元の姿が想像もつかないような状態のぬいぐるみが、見事に生気を取り戻している様子に驚きました。みなさん思い入れがあるだけに、希望にこたえる治療を施すのは大変なことでは?

堀口:そうですね。まずはご家族の方に、イメージや思い出、どんな思いで治療をされたいかをお聞きしています。写真や描いた絵をいただいたり、口頭でイメージを言っていただいたりして、一緒に復元していく感じです。

(『わたしのぬいぐるみさん』より)

ご家族がイメージをうまく言語化できないときは、一度こちらでお顔を作って見ていただいて調整していくんですが、ときには「このお顔です」というところに至るまで、半年ほどかかったりすることもあります。

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