「絶対にかなわない」上司が持つ"3つの技術" モンスター級にデキる人たちの共通点
「この間、ボスがちらっと口にしていた記事について、僕も読んでみたんだよ。今度、その話をしてみようかな」
「ボスが、週末に出勤したことをねぎらってくれたんだ。あれは、うれしかったよ」
一見、強面のボスが、たまに見せる心配りによって部下は心を開き、チームとしての仕事の質を高め続けていました。
部下は大切な「アセット=資産」
普段どんなに部下に厳しくても、対外的には絶対的に身内である部下を守る。これもまた、「人を動かす」のがうまいボスの共通点です。
ある日、私のボスの上司である、ビッグボスが血相を変えてわれわれの部署へ飛び込んで来ました。
怒りのあまり真っ赤になったビッグボスは、私が制止する間もなくボスのオフィスへ入ると、後ろ手に大きな音を立ててドアを閉めたのです。どうやら、ボスの部下の仕事に不備があったようです。
しかし、自分の上司であるビッグボスにひるむ様子もなく、椅子に座ったまま対峙するボス。ガラス張りの部屋からかすかながら2人の怒鳴り声が漏れてきます。2人のやりとりから、ボスの「彼(部下)だけの落ち度ではない」という声がなんとか聞き取れます。
しばらくすると、部屋の中からの怒号はやみ、静けさを取り戻しました。部屋から出る2人の顔を見ると、どうやら私のボスが勝利したようです。けれども、ボスはきちんとビッグボスを立てることも忘れず、握手を交わして見送りました。が、ビッグボスの姿が見えなくなるや否や、振り向いたボスは鬼の形相に変わり、部下を呼びつけたのです。
数分後、部屋から出たその部下は、ボスから大目玉をくらい、さぞかし落ち込んでいるかと思いきや、妙に納得した様子でした。たとえ、自分の上司といえども、ビッグボスと怒鳴り合ってまでして徹底的に部下を守る。そんな姿勢に、部下たちが全幅の信頼を置いていることは秘書から見ても一目でわかりました。
ボスが体を張って自分たちを守ってくれると知っているからこそ、彼の叱咤にも耐え、部下は、さらなる努力をするようにもなるのです。
「部下を守る」、これは理想論でもきれいごとでもありません。それはエグゼクティブにとって、部下は大切な「アセット=資産」だからなのです。いくら自分が優秀でも、部下たちの日々の努力がなければ、ビジネスが成り立たないことをよく理解しています。それゆえにその“資産”に感謝し、守ろうとするのです。