「ソロ活」の心地よさの先にある自由と社会的孤立 若者の孤立を防ぐ立場から見たシングルと役割

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人は必ず有限の自然・社会的環境の中で育ちます。僕が「ソロ活」を理想だとした背景には、人として担わされる役割を「下ろしていく」ことがクレバーな生き方だと思っていたからだと思います。シングルのもつ自由で自己実現的な側面だけを捉えていたのでしょう。

しかし僕もミドル期前期の年齢になり、バブル崩壊後の低迷する経済状況もいまだ継続している中では、自分のことだけを考えてもいられないという気がしてきました。

自分たちの生活圏で担えそうな役割から

これからの社会について考えるとき、上に引用した「個人化」のベクトルのうち、社会全体として目指すべきは後者だと考えています。

しかし同時に個人レベルで考えているのは、今までの役割を担わされてきた社会ではなく、例えば若者が役割を担いたいと思えるような社会をつくっていきたいということでした。

そのためにはどうすればいいのか。まずは日本全体、世界全体を一気に変えようと思うのではなく、自分たちの生活圏で担えそうな役割を担っていくことから始めてみようと思っています。

個人が変わることで社会が変わり、社会が変わることで個人も変わりやすくなっていくことが、今後の未来を少しでも明るいものにしてくれるのではないか。本書はこのような行動を始める根拠の一つとなる本です。

青木 真兵 「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」キュレーター、古代地中海史研究者、社会福祉士

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あおき しんぺい / Simpei Aoki

1983年生まれ、埼玉県浦和市に育つ。「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」キュレーター。古代地中海史(フェニキア・カルタゴ)研究者。博士(文学)。社会福祉士。2014年より実験的ネットラジオ「オムライスラヂオ」の配信をライフワークとしている。2016年より奈良県東吉野村に移住し自宅を私設図書館として開きつつ、現在はユース世代への支援事業に従事しながら執筆活動などを行なっている。著書に『手づくりのアジール──土着の知が生まれるところ』(晶文社)、妻・青木海青子との共著『彼岸の図書館──ぼくたちの「移住」のかたち』(夕書房)、『山學ノオト』シリーズ(エイチアンドエスカンパニー)などがある。

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