「ソロ活」の心地よさの先にある自由と社会的孤立 若者の孤立を防ぐ立場から見たシングルと役割
人は必ず有限の自然・社会的環境の中で育ちます。僕が「ソロ活」を理想だとした背景には、人として担わされる役割を「下ろしていく」ことがクレバーな生き方だと思っていたからだと思います。シングルのもつ自由で自己実現的な側面だけを捉えていたのでしょう。
しかし僕もミドル期前期の年齢になり、バブル崩壊後の低迷する経済状況もいまだ継続している中では、自分のことだけを考えてもいられないという気がしてきました。
自分たちの生活圏で担えそうな役割から
これからの社会について考えるとき、上に引用した「個人化」のベクトルのうち、社会全体として目指すべきは後者だと考えています。
しかし同時に個人レベルで考えているのは、今までの役割を担わされてきた社会ではなく、例えば若者が役割を担いたいと思えるような社会をつくっていきたいということでした。
そのためにはどうすればいいのか。まずは日本全体、世界全体を一気に変えようと思うのではなく、自分たちの生活圏で担えそうな役割を担っていくことから始めてみようと思っています。
個人が変わることで社会が変わり、社会が変わることで個人も変わりやすくなっていくことが、今後の未来を少しでも明るいものにしてくれるのではないか。本書はこのような行動を始める根拠の一つとなる本です。
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