世界の企業が注目する「拡大するシングル市場」 割高な「おひとりさま料金」を廃止した旅行会社

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シングル市場への進出を考える各国の企業は、次々とシングル向けの製品やサービスの提供を始めている(写真:marchmeena/PIXTA)
シングルはもはや市場の中心になりつつある新しい存在だ。消費支出の報告書によれば、シングルの人たちは結婚している人たちより、衣類、食品、外食、レジャー、娯楽に多くの支出をしている。シングル市場への進出を考える各国の企業は、次々とシングル向けの製品やサービスの提供を始めている。
30カ国を超える国のデータに基づいてシングル研究を行ったイスラエルの社会学者のエルヤキム・キスレフ博士は、その代表として食品、旅行、不動産・都市開発、広告・マーケティング業界を挙げている。
キスレフ博士の最新刊『「選択的シングル」の時代 30カ国以上のデータが示す「結婚神話」の真実と「新しい生き方」』を一部抜粋・再構成してお届けします。

独身の「食」のニーズに目ざとく対応

シングルの増加という人口統計の変化にめざましく適応しているセクターは、外食・食品業界だ。この業界は、次の3つの方法でソロ消費者に適応している。

第一に、イギリスの研究によれば、単身世帯は「台所忌避者」のカテゴリーに多く分布している。これまでの数十年間、料理に割く時間を減らす傾向が一般的にもみられた。労働時間の増加や、そのほかの時間的なプレッシャーが原因だ。シングルの人たちは、この動きの先頭に立ってきた。そもそも、ひとり分の料理をすることは効率が悪いからだ。

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