世界の企業が注目する「拡大するシングル市場」 割高な「おひとりさま料金」を廃止した旅行会社

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そこで、旅行会社は中高年のシングルのニーズに合わせた商品を提供し始めた。シングルの人たちのために、ツアー旅行への参加を促し、コストを最低限にするとともに、安全さと安心感を提供するものだ。これらの旅行会社は、自由と柔軟さを好むと同時に、パッケージ化され、スケジュール化された休暇を好むソロ旅行者のニーズにも応えている。

企業のなかには、ひとり部屋追加料金を値下げしたり、廃止したりするところもある。ソロ旅行者向けの募集は今後も多様化し、数が増えるものと思われる。

注目すべき「シングルが暮らしやすい街」ランキング

これまで、シングルのための「一番住みやすい都市」リストでは、デートする際の経済状況や、パートナーの見つけやすさが重視されていた。だが、新しいリストのなかには、友情や娯楽を重視するものも出てきた。「フォーブス」はその一例で、自ら望んでシングルでいる人たちと、パートナーを見つけたい人たちの両方を対象にしている。最新版のリストのなかには、ナイトライフの選択肢や、シングル人口の割合、外出のコストなどの要素も含めて、もっと詳しく都市をランク付けしているものもある。

リストが明らかにするのは、シングルにとって、より低予算で気軽に外出し、人と知りあい、(デートするだけではなく)生活できる場所、多くのシングルの人たちが暮らす場所、そして将来的にコミュニティーが発展する可能性がある場所はどこか、ということだ。

これらのリストと、それによって引き起こされる人の往来は、こんにちのシングルの人たちがよりポジティブなライフスタイルを求めていること、また、どこに住むかを決定する際には、コミュニティーに関する要因に影響を受ける可能性があることを示唆している。

シングルの人たちは、友人、コミュニティー、雇用、そして恋愛の相手を見つけるチャンスを求めて、都市に移動してくることが多い。このようなシングルの人たちはたいてい、ひとり暮らしを好むので、彼らに適した公共のスペース、適切な住居の不足が課題になっている。

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