東京製綱、強気投資の勝算、太陽電池向けワイヤで急成長 

太陽電池の製造工程は、シリコン加工、セル加工、モジュール加工に大きく分かれるが、「コスト面のカギを握るのはシリコン加工。ワイヤソーは15%、ソーワイヤで40%程度の利益率がある」(前出の大澤氏)。

そのソーワイヤには課題もある。国内市場でじわじわと増える固定砥粒方式への対策だ。東京製綱のソーワイヤは遊離砥粒方式と呼ばれ、スラリーという溶液を加えながらシリコンを切っていく。中国をはじめ、海外では依然圧倒的だが、日本では7割まで低下している。3割まで伸びたのが固定砥粒方式。ソーワイヤにダイヤの粒を電着させたもので、旭ダイヤモンド工業の独壇場だ。

これはスラリーが不要で、高速でシリコン切断でき、作業時間を短縮でき人件費も抑制できる。また、北京五輪時に中国から遊離砥粒原料の輸入が止まった例もあり、供給リスクを嫌うパネルメーカーもある。

各社とも後追いしたが、旭ダイヤの牙城を崩せていない。東京製綱には対応品がなかったが、「年内をメド」に発表する。特にワイヤソーでは固定砥粒と遊離砥粒の両方を使えるタイプを開発中のようだ。消耗品なだけに、ダイヤを使用するワイヤのコストは決して低くない。使い方によっては、遊離砥粒型の優位性も依然あるため、両方を満たす機械のニーズがあると見ているのだ。

このように、成長が期待できるソーワイヤと、需要が安定しているタイヤコードという、強力なプロダクトミックスを持つ東京製綱。高成長を持続させる道筋が見えてきた。

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(本誌:山内哲夫 =週刊東洋経済2011年7月30日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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