東京製綱、強気投資の勝算、太陽電池向けワイヤで急成長 

ソーワイヤと切断機械 両方製造は唯一の存在

東京から新幹線で3時間弱。岩手県北上市に、同社はスチールコードと切断機械の2工場を置いている。

北上工場はスチールコードのマザー工場。原料の線材は、新日本製鉄の釜石製鉄所から1日に5台のトラックが2往復して供給される。長年にわたる共同開発の成果である線材も同社の大きな強みだ。上工程の工場建屋に入ると、釜石製の太さ4~5・5ミリメートルのさまざまな線材が並んでいた。これを酸洗後、伸線機で1~3ミリメートルの細さに伸ばし、銅と亜鉛による真鍮メッキを施せば、半製品の完成だ。下工程に送る一方、太陽電池の需要地に近い和歌山とマレーシアの工場にも送られる。そして最終伸線工程でタイヤコードとソーワイヤに工程が分かれ、完成となる。

この北上工場。ラジアルタイヤが一気に普及した時期の1970年にできたタイヤコード専用工場で、一時は磐田と小倉にも工場を構え、米国にATRという現地法人を持つまで拡大していた。しかし、米現法はタイヤコード価格の下落や現地の労働者の人件費負担で赤字が続き、03年にチャプター11(米連邦倒産法)を申請。国内工場は北上に集約した。

そのスチールコード事業では、現在、中国とマレーシアに工場を設けており、いずれも順調だ。中国は世界最大のスライスメーカーの集積地。マレーシアは電池産業への投資優遇策が豊富で、米ファーストソーラーや独Qセルズ、米サンパワーなど欧米の主要電池メーカーの工場進出が相次ぐ注目エリア。いずれも受注が伸び、急成長が続いている。

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