入学後も続々「子どもの"隠れ"教育費」にため息 「学校指定で高額」は本当に仕方がないのか

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神奈川県在住で3児を育てる男性(44)は、今年、次女と長男がそれぞれ中学校と小学校に進学予定だ。ともに公立の学校に通う。

長男の小学校では、制服はなく、体操着も白いTシャツと短パンという指定があるだけ。そのため、入学時の負担はそこまでなかったという。

一方で、次女が入る中学校では「制服代の負担感が大きい」という。夏服2着と冬服1着で、5万円ほどかかる。

クレジットカード事業などを営む株式会社モデル百貨が、20代~40代の男女計1200人に対して行ったアンケートによると、男性が洋服に年間かける金額は3万8349円だったという(20代~40代男性の平均額)。

中でも、40代男性は、最も年間の消費額が大きかったが、それでも4万8028円だった。このことからも、いかに制服が高価な買い物かがわかる。

男性も「長い期間使うものなので、ある程度の金額は想定していましたが、それでも高いなと感じます。近所に3月で同じ中学を卒業する子がいたので、冬服はその子にもらって、夏服だけを買い、できるだけ出費を抑えることにしました」と話す。

書道セット、柔道着…入学後も続々

隠れ教育費は入学後も続々必要になる。ドリルや書道セット、リコーダー、柔道着など、各教科ごとに必要な物品や、部活動、修学旅行の積立金など、私費で負担するものが出てくる。

さらに、給食費がかかる自治体もまだまだ多い。男性が住む地区では、小学校・中学校で給食費が月4千円程度かかる。男性は「小さくない出費だと感じます」と話す。

義務教育を受けるために必要な諸経費はどのくらいなのだろうか。文科省が隔年で実施している「子供の学習費調査」(令和3年度版)によると、公立小学校では1年で学校教育費(学用品・実験実習材料費、通学費、修学旅行費など)が6万5974円、学校給食費が3万9010円かかっているという。

中学校はそれぞれ、13万2349円、3万7670円だ。足し合わせただけでも、小学校6年間で62万9904円、中学校3年間で51万57円かかる計算になる。

これは塾代や部活動でかかる費用などを含まない金額だ。それらとは別に、小学校は年間35万2566円、中学校は同53万8799円がかかることになり、費用はさらに膨れあがる。

男性も、実際に子どもが小中学校に入るまでは、こうしたさまざまな費用を意識することはなかったという。

「経験してみて初めて、『あれもこれもお金がかかるんだ』とわかりました。その都度払っているので気がつかないですが、細々したものでも足し合わせると、公立でも意外と費用がかかるんですよね……」

こういった費用は、いわゆる「隠れ教育費」と呼ばれるものだ。

もちろん義務教育だから、必要なものを全て無償にすべき、というわけではない。しかし、少なくない額が私費負担となっている状況が続いているのはなぜなのだろうか。

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