ちょっと唐突かもしれないが、「結婚なんてしなくていいよ」と子供たちに言ってみたい。筆者には高校生の子供が男女1人ずついるのだが、早速彼らに言ってやろう。
ついでに、「同棲は大いにありだと思うし、子供も早く持っていいぞ」と付け加えよう。常日頃から拙宅では「オヤジの言うことになんて、いちいち影響されなくていい」と教育してあるから、何の問題もあるまい。
結婚観に「不可逆的な大変化」が起きている
だが、自分の子供は「見切り発車」でもいいが、より正確には、100%の確信を持って上記のように言えるような世の中にしたいものだ、というのがこの記事の論旨だ。
国立社会保障・人口問題研究所が先般発表した調査結果によると、18歳から34歳の独身の男女のうち、男性の17.3%、女性の14.6%が「一生結婚するつもりはない」と答えたという。
回答の「水準」にも驚くが、より衝撃的なのはその「変化」だ。調査は通常5年に1回行われるが、今回の調査はコロナ禍で実施が1年延びたのだが、6年前に行われた前回調査と比較して男性は5.3ポイント、女性では6.6ポイントも増加したという。
ほかの多くの現象にも言えることだが、新型コロナウイルスには世の中の変化を数年分程度早く「コマ送り」する効果がある。「結婚」に対する意識にもそれが起こったに違いない。
この変化は、おそらく不可逆的で、かつ加速するだろう。元々、結婚は魅力的でも合理的でもない意思決定だ。調査対象となった若者たちは、そのことに気づいたにすぎない。彼らは、「結婚するのが普通だ」という通念を払拭して、「結婚はオワコンだ」と思い始めている。
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