岸田首相、裏金議員に「甘すぎる処分」で墓穴掘る 際立つ「ご都合主義」で"内ゲバ"、政権危機拡大

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併せて、5人衆の1人の萩生田光一・前政調会長や、5年間の不記載額が2000万円以上だった衆参議員も同じ処分とする一方、500万円以上で1000万円を超えない議員らは「戒告」とし、500万円以下の議員らは「厳重注意」にとどめたため、「国民不在の大甘処分」(立憲民主)との批判、反発が広がる。

処分対象となった衆参議員ら39人に対し、党紀委員会は「弁明を希望する場合は4日午前10時までに文書で提出するように」と要求。これに対し塩谷、下村両氏らをはじめ31人が応じた。ただ、同委は改めて踏み込んだ事情聴取はしないまま、2時間足らずの協議で処分を決定。しかも、処分内容は「ほぼ、事前に岸田首相らが決めた通り」(党紀委メンバー)になったとみられている。

政治責任は「最終的に国民、党員の判断に」

これを受け岸田首相(自民党総裁)は4日午後7時半過ぎ、首相官邸で記者団の取材に応じて、経過を説明。まず、改めて裏金事件について「党総裁として心からおわびする」と陳謝。関係者が立件された宏池会(岸田派)の会長だった岸田首相自身を処分の対象としなかったことについては、「首相個人としての不記載がなく、岸田派としての不記載も事務の『疎漏』が原因だった」と釈明した。

自らの政治責任については「今後、先頭に立って政治改革に全力で取り組むのが総裁の責任。そのうえで最終的には国民、党員の皆さんにご判断いただく」と述べ、解散断行による衆院選や党総裁選による決着を示唆。これは、岸田首相が「破れかぶれ解散」の可能性をにじませて党内を牽制したと受け止める向きが多く、党内外に波紋を広げた。

その一方で岸田首相は、過去に清和政策研究会(現安倍派)の会長を務め、「裏金事件のキーマン」とされてきた森喜朗元首相については、「私の判断で(直接電話で)聞き取りを行った」ことを明かした。ただ「(森氏の)具体的な関与については確認できていない」と語っただけで、聞き取りを行った日付や具体的なやりとりは明かさず、不透明感ばかりが残った。

また、処分決定までの党執行部内での協議では、岸田首相と麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長、森山裕総務会長の間で意見が対立。特に、二階派の武田氏の処分を巡り、同氏と政治的に敵対する麻生氏が「離党勧告」を強く主張したが、「最終的に“首相裁定”での甘い処分で決着した」(党幹部)とされる。

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